ハン・ジュンイルの日中韓山歩記(やまあるき)

3カ国で気ままに登山・トレッキングを楽しみながら書いているブログです。どうぞ気軽にお立ち寄り下さい。
2015年8月29日
=日本の山057= 羅臼岳(らうすだけ) コメント(2)読む・投稿する

 世界自然遺産の地・知床。この細長い半島の「背骨」に当たる知床連山の最高峰・羅臼岳(1661m)は、日本百名山のうち最東端にあり、オホーツク海の眺望はもちろん、山頂部の岩肌むき出しの山容、多彩な高山植物など楽しみの多い山です。
 北海道での初登山にこの山を選んだ私は、スタート時から小雨と濃霧の中での山行を強いられたのですが、山頂間際になって一気に晴れ間が広がるドラマチックな展開に。雲海に浮かぶ小島のように知床連山が顔をのぞかせ、さらには国後島の最高峰・爺爺岳(ちゃちゃだけ・1822m)もはっきりと肉眼で捕らえられました。




【登山日:2015年8月24日】
タイムテーブル
岩尾別温泉06:31--07:05オホーツク展望台の案内板--07:28 650m岩峰--07:46弥三吉水--07:54極楽平--08:15仙人坂--08:30銀冷水--08:43大沢入口--09:26羅臼平--09:54岩清水--10:42山頂10:55--11:44岩清水--11:55羅臼平--12:27大沢入口--12:39仙人坂--12:54極楽平--13:05弥三吉水--13:19 650m岩峰--13:38オホーツク展望台の案内板--14:09岩尾別温泉

 羅臼岳の登山口として最も多く利用されているのは、西麓の北海道斜里町にある岩尾別温泉。「ホテル地の涯(はて)」前に30台程度の駐車スペースがあり、そのすぐ奥の「木下小屋」で登山届を提出します。東麓の羅臼町側から登るよりも標準コースタイムが往復で約1時間短いうえ、知床五湖やカムイワッカ湯の滝など下山後に訪ねたい知床の定番観光スポットも射程圏内にあります。
 そんな岩尾別コースの最大の難点はヒグマ。とにかく出没頻度が高いことで知られ、この日も私より2時間ほど早くスタートしたパーティーが目撃し、登山路から離れた場所に立ち去るまで1時間以上足止めを食らったとの話を後で耳にしたほど。熊避け鈴は必需品です。


 登山道は比較的よく整備され、道標もかなり小刻みに設けられているなあという印象を受けました。それにしても序盤・中盤は残念な天気が続きます。5合目付近の「極楽平」も、この日はどこが極楽なんだと思うほど一面霞んでいました。雨もしとしとと断続的に降っていてレインコートがなかなか脱げません。

 頂上まで残り2kmの「大沢」という涸れ沢では雪渓が出現。ここはロープや足跡を頼りにアイゼン無しで乗り越えて行きます。登山道脇にはチングルマの群生など、多彩な高山植物が見られました。



 登り始めから約3時間、周囲一面にハイマツの林が広がる羅臼平に到着しました。頂上までは南へあと1km。ここから北へと分岐すると1400、1500m台の峰を幾重にも越えて硫黄山(1562m)へと至る知床連山縦走コースです。

 ここまでの間、終始曇りつつも時折空が明るくなっていたので一抹の期待を抱いていたのですが、その願い通り、山頂部を覆っていたガスが西から東へと一気に消え去っていきました。

 広々とした羅臼平の緑の原っぱから、山頂に近づくほど岩石だらけの様相に。



 このまま天気がさらに良くなって山頂に着く頃には知床半島全体とオホーツク海を眺望−−−とはいきませんでしたが、代わりに雲海が眼下に延々と広がり、そこから頭を突き出そうとする知床連山、そして澄み渡る青空が織り成す壮大な景色を堪能できました。


 こうして登山口から4時間余り、まるで展望台のように円筒状の岩が突き立つ山頂に到着しました。見下ろせば険しい断崖、そして石だらけの斜面、その先には果てしない雲海。まるでここが天空の城であるかのようです。


 下山時はいったん元通りのどんより天気に戻りかけたのですが、その後徐々に回復。2、3合目あたりの弥三吉峠を通過すると、ついにオホーツク海、そして知床五湖が見えてきました。かくして北海道初登山は大満足のうちに終えることが出来ました。




 下山後は知床五湖を散策しましたが、ヒグマ出没情報があったとのことで通常の遊歩道は立ち入り禁止となり、一湖が見える高架木道のみ開放されていました。実際に一湖の展望台に着くと、150mほど先の草むらにその姿を発見。観光客が一斉にどよめきました。登山道でこれに出くわしていたらと思うと冷や汗が出ます。安全な高架木道で拝むことができてラッキーでした。


 それにしても知床はまさに「天然の動物園」。国道334号や県道93号の車道脇ではシカやキツネを何度も目撃しました。「何もない路上で停止している車があれば、動物を目撃して写真を撮っている」という「知床あるある」まで発見してしまいました(笑)。




 「ヒグマにも遭遇せず、無事に帰れるだけでもう十分」。登り始めから9合目まではそんな弱気なことを考えていたのに、終わってみればこれだけの絶景を満喫でき、まさに「登山万事塞翁が馬」。今回はそれが良い方に転がってくれたんだなという心境です。
 私にとっては名曲「知床旅情」の歌詞でしか知りえなかった地も、今や世界遺産登録10周年を迎え、世界各国から旅行客が集まる観光地となりました。今回はその魅力の一端に触れただけだったので、いずれまた近いうちに再訪したいものです。



〜翌日、斜里岳登山へ〜

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更新 2015年11月6日 11:57:23

登録タグ 北海道 半島 日本百名山
羅臼平

素晴らしい景色ですね〜
高山植物の美しいこと。
ヒグマに遭遇することもあるとは、危険ですね。
羅臼と言えば昆布が浮かんでしまいます。
2015/08/30 21:06:34
りんごさん

コメントありがとうございます。
そうですね。私も羅臼岳より羅臼昆布の方をはるかに早く知っていました(笑)。海も山も素晴らしい、まさに知床は世界自然遺産になるべくしてなったのでしょうね。
羅臼岳はアイヌ語で「チャチャヌプリ(お爺さんの山)」というらしいですが、これはまさに国後島の最高峰・爺爺岳と同じ語源のようです。やっぱり何かつながってるんだなという思いがします。
2015/08/30 21:50:02
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