ハン・ジュンイルの日中韓山歩記(やまあるき)

3カ国で気ままに登山・トレッキングを楽しみながら書いているブログです。どうぞ気軽にお立ち寄り下さい。
2013年1月3日
=日本の山036= 縄文杉(じょうもんすぎ) コメント(2)読む・投稿する

 1993年、白神山地(青森・秋田)と共に日本初の世界自然遺産に登録された屋久島(鹿児島県屋久島町)。その最大の「功労者」と言えば、やはりヤクスギではないでしょうか。樹齢1000年をゆうに超える巨木が島内各地に点在する中でも、特に「元老クラス」のヤクスギに出会えるのが、この縄文杉コースです。
 前半は自分が列車になったような感覚を味わえるトロッコ軌道の道が続き、後半は「最長老」縄文杉を目指して神々しい森林の中を歩く本格的な登山道。あちこちで愛嬌たっぷりなヤクシカにも遭遇し、往復9時間の長丁場も短く感じられるほど楽しみがいっぱいのコースです。2012年の事始めとしてこのコースに挑戦した私は、天候は終始冴えなかったものの、雪景色の中で屋久島の誇るケタ外れの自然を存分に堪能できました。


宮之浦岳登山記へ



【登山日:2012年1月1日】

 安房(あんぼう)集落から車で1時間余り。まだあたりは真っ暗な午前6時過ぎ、荒川登山口に到着しました。歩き始めると程なくしてトロッコ軌道が見えてきて、センサーで灯りがつくトンネルをくぐります。



 トロッコ軌道は欄干のない橋を渡る区間もあってスリル満点。


 安房川(あんぼうがわ)にかかる橋を渡ると間もなく、登山口からは1時間足らずで小杉谷小・中学校跡に着きました。高杉が美しい森林の中、トロッコ軌道はまだまだ続きます。


 小杉谷から1時間ほどのところには、トロッコ軌道沿いでは群を抜いた存在感の大樹・三代杉が立っています(写真右下)。
 「初代」は約1500年前に倒れたのですが、その上に2代目が育ち、それが約350年前に伐採された後も切株の上に3代目が成長してこの高さに。まさにヤクスギのとてつもない生命力を象徴しています。

 スイッチバック地点を過ぎればあと15分ほど、登山口からは約2時間半で大株歩道入口に到着。ここがトロッコ軌道の終点であり、本格的な登山道の始まりです。


 大株歩道入口まで積雪は全くありませんでしたが、山道に入るとやはり足元が白くなり始めました。しかしこの日は慎重に登ればアイゼンも要らない程度。軽快に坂を上っていきます。
 大株歩道の名の由来であるウィルソン株へは、入口から40分ほど。その手前には樹齢約2000年という翁杉(おきなすぎ)が立っていたのですが、2010年9月に倒れてしまいました。高さ23.7m、幹回り12.6m。縄文杉に次ぐ太さの大木だっただけに、その雄姿を目にすることが出来ず残念です。

 そしてこちらがウィルソン株。幹回り13.8mで、中はちょっとした避難小屋のような広さ。地元の焼酎「三岳」が供えられた祭壇もありました。



 この時季のウィルソン株は、こげ茶色の幹に緑のコケ、白い雪が見事にマッチし、幻想的な姿に映りました。

 勾配のきつい木の階段を上がっていくと、さらに二つの大木が現れます。
 一つは大王杉(だいおうすぎ)。その名の通り、縄文杉が発見されるまでは「大王」として君臨していた杉で、約3000年の樹齢を誇ります。
 もう一つは夫婦杉(めおとすぎ)。二つの杉の枝が相手側の幹に絡まっていて、仲良く手をつないでいるような様子から名付けられたようです。

 大王杉と夫婦杉の間の急勾配の坂では角のないヤクシカに遭遇。そしてゴール・縄文杉の数百m手前には倒木と見られる「杉の門」をくぐる個所も。

 こうして午前11時すぎ、荒川登山口から5時間余り。ついに縄文杉に到着しました。きれいに整備された展望デッキを登っていきます。
 縄文杉は標高1300m付近にあり、樹齢は少なくとも2000年以上、最長の説で7000年以上とも。現在では4000〜5000年程度という説が有力とされていますが、現代の科学をもってしてもここまで幅があるのに驚かされます。いずれにせよその名の通り、縄文時代から根を張る時空を超えた巨木です。


 下山時は天候が幾分回復。倒木となってしまった翁杉を拝み、登山時に見たものよりもかなり体長の大きいヤクシカにも巡り合えました。普通のシカと比べて逃げ足は速くなく、かつあまり人間におびえていないようです。



 縄文杉から約4時間、午後3時過ぎに荒川登山口に帰ってくると、愛嬌たっぷりなヤクザルさんにもお会いできました。
 ヤクザルもヤクシカ同様、人間を目にしても一目散に逃げようとはしません。少し離れた場所に行ってもまたキョロっとこちらの方を振り返るので、シャッターチャンスが結構たくさんありました。





 私は屋久杉に対する予備知識が全くありませんでしたが、いったん死んだ杉でもその株の上に新しい杉が育ち、二代・三代と代を重ねて伸びていくものがあることには驚きました。そしてもう一つ知らなかったのは、杉に全く別種の樹木が着生する現象が、ここ屋久島では当たり前のようにここかしこで見らというれること。多いものでは10種類以上の木を従えているものもあります。「河海は細流を選ばず」といった杉の木の大らかさが垣間見えた気がしました。
 関西は高杉の美しい山が多いからか、杉と言えば細長く一直線に立っているイメージが強かったのですが、屋久杉の「長老」たちはどれもいびつな形。それでいて独特の風格・味わいがあります。100%天然で育つとこうなるのでしょうか。とにもかくにも、杉に対するイメージが180度変わり、ここが世界遺産の島たるゆえんを存分に体感した一日でした。


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更新 2013年1月5日 22:54:15

明けましておめでとうございます。

明けましておめでとうございます。
昨年のお正月に行かれたのですね。
樹齢7000年といわれる縄文杉
神が宿っているのでしょうね。
新年早々、森の伊吹を感じさせていただきました。
ありがとうございます。
今年も宜しくお願いいたします。
2013/01/03 21:08:26
りんごさん

新年あけましておめでとうございます。こちらこそ本年もよろしくお願いいたします。
日本地図の中では本当に小さな存在に過ぎない島の中にこれほど驚異的な樹齢の杉がいくつも集まっているというのは、まさに神がかりですね。日本は本当に奥深い国なんだなということを実感できた屋久島旅行でした。
2013/01/03 23:31:25
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