ハン・ジュンイルの日中韓山歩記(やまあるき)

3カ国で気ままに登山・トレッキングを楽しみながら書いているブログです。どうぞ気軽にお立ち寄り下さい。
2013年5月31日
=韓国の山022= 大屯山(テドゥンサン) コメント(4)読む・投稿する


 韓国中部、忠清南道と全羅北道の境界に位置するテドゥン山は、標高3ケタ台ながらも岩肌むき出しの山々が織り成す断崖絶壁が壮観で、その断崖の間に架かる「雲の橋(クルムダリ)」や「三仙階段(サムソン・ケダン)」は超スリリング。高所恐怖症でなくとも足元が震えるほどの高度感があります。

 テドゥン山の「ドゥン」の字の漢字表記は本来、上記のように「くさかんむりに屯」なのですが、韓国観光公社の日本語ホームページでも「屯」を代用していますので、私もそれに従わせていただきました。



 【登山日:2012年7月21日】

 テドゥン山へは、東麓なら韓国中部随一の大都市・大田(テジョン)、西麓なら忠清南道の論山(ノンサン)からのアクセスが便利です。
 大田の東部には真新しい大型バスターミナルがあるのですが、そことは打って変わって川沿いのローカル感漂う大田西部バスターミナル。ここからテドゥン山に向かう34番バスがおおむね40分に1本の間隔で出ています。

 終着の「テドゥン山休憩所」から少し歩くと、忠清南道・錦山(クムサン)郡から境界を越え全羅北道・莞州(ワンジュ)郡へと入ります。
 ゲート状の路上看板には「湖南の金剛、莞州テドゥン山」の文字。湖南とは全羅道一帯、金剛は言うまでも無く朝鮮半島ナンバーワンの名山とされる金剛山(クムガンサン)のことです。これからの山行に期待が膨らみます。
 西側にそびえる岩肌あらわなテドゥン山の主峰群とは対照的に、南側には富士山を想起させるような山容の山が見えます。

 バス停から歩くこと二十数分。食堂や宿泊施設の立ち並ぶ登山口に着きました。頂上までは1時間半ほどとのことなので、ロープウェイはもちろん眼中にありません。
 新緑が美しい整備された登山道が続きますが、渓流沿いで多少足場が悪い所もあります。



 高々とそびえる岩壁の間をくぐるようにして続く階段を上り終えると、いよいよ「クルムダリ」が出現しました。恐怖感をそそるためか予算上の問題か、橋の下はシースルー。悲鳴を上げながら真ん中辺りで立ち止まっている女性もいて、こっちまでつられて足が震えてきました。 


 クルムダリを渡り終えたら、程なくして「三仙階段」が待ち受けています。真下から見上げるとまさにStairway to Heaven(天国への階段)といった様相で、造った人に敬意を表さずにはいられないほどの恐怖感。レッド・ツェッペリンを口ずさみつつ、後ろを振り向かずに一気に上っていきました。



 三仙階段を上りきると10分ほどで頂上(標高878m)に到達。「開拓塔」と刻まれた金属製っぽい山頂碑がありました。 


 下山時は北西麓、ノンサン市側へ。こちら側は途中から水落渓谷(スラク・ケゴク)という渓谷沿いに道が続いていき、爽快な滝が随所に出現。かつこちらから山頂部を仰ぐと緑に包まれたたおやかな姿に見えて、東麓とは全く違ったこの山の一面を味わえました。
 韓国の山ではなぜか遭遇率が高いリスさん。ここでもお会いできました。



 スラク・ケゴクを下りていってノンサン市側の登山口にたどり着くと、右手には階段が。これだけ立派な階段だと必ず先に何かあるはずという期待を抱かずにはいられません。登山の終わりにまた上るのかと多少滅入る気持ちを抑えつつ上り切ると「勝戦塔」という石碑が立っていました。
 現地に記されていた説明によると、1950年に勃発した朝鮮戦争当時、ここテドゥン山は北側の兵士やスパイらが立てこもった場所でした。それを壊滅させるために南側は「戦闘警察隊」を組織し、両軍合わせて死者3600人を超える(北2297人、南1376人)激戦が繰り広げられたそうです。
 南側にとって「勝戦」と言えるのかどうかはともかく、こんな険しい山にたてこもる北朝鮮の兵士たち、やはりただものではないなと感じました。

 ノンサン側の登山口にもバスが運行されています。一日11往復と本数は少ないですが、ノンサン駅まで乗り換えなしで20〜30分ほど。さすがは登山大国、たいていの山はタクシーやマイカーに頼らずともアクセスできるありがたみを実感しつつ帰路につきました。




 全羅北道と忠清南道それぞれの道立公園に指定されているテドゥン山ですが、私がこれまでに訪ねた国立公園の山々にも全く引けを取らない魅力を持った山であることが、実際に訪ねてみて実感できました。登山前「韓国で名山と呼べる山はだいたい行き尽くしたし、他にもう残ってないもんなあ・・・」なんて考えていた自分を恥ずかしく思います(苦笑)。標高や「肩書き」だけで山をランク付けすることのナンセンスさを、テドゥン山を通じて教えられた気がしました。



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更新 2018年12月6日 01:36:39

クルムダリ

橋の下はシースルー
下が見えると恐怖心が増しますね。
足がすくみそうです。
可愛いリスさん ほっと和みますね。
2013/05/27 23:13:48
りんごさん

コメントありがとうございます。
個人的意見ですが、リスは動物の中で一番かわいいと思います。
なかなか逃げ足が速く、かつ一眼レフじゃなかったのでピントの合う写真が撮りづらかったのですが、また山でお会いして和まされたいです。
2013/05/28 08:22:13
はじめての韓国旅行で行く予定です
ふじもと

山好きで海外一人旅始めたばかりの62歳の定年男です。高さは地元神戸の六甲山程度の山みたいですが、写真から秘境感があってとてもワクワクします。どうしても行きたい思いが抑えられず5月2日から初めての韓国旅行ですが是非行ってみたいと思っています。
2016/04/30 21:12:28
ふじもとさん

コメントありがとうございます。
返事が遅くなってしまいましたが、GWの山登り、存分に楽しまれたのであれば幸いです。韓国の国立公園に指定されている山々に比べるとアクセスが良くないのが難点ではありますが、行かれて損はないと思います。また行かれる機会がありましたら秋のソラク山やネジャン山もおすすめです。ともあれ今後とも山登りを堪能しましょう。
2016/05/22 01:15:35
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