ハン・ジュンイルの日中韓山歩記(やまあるき)

3カ国で気ままに登山・トレッキングを楽しみながら書いているブログです。どうぞ気軽にお立ち寄り下さい。
2017年5月23日
=韓国の山004= 智異山(チリサン) 〜パレボン編〜 コメント(4)読む・投稿する

 韓国南部、東西50km以上にわたる広大な山域を誇るチリ山ですが、そのうちパレボン(パレ峰)は北西部にあたる全羅北道の南原(ナムォン)市に位置します。標高は1167mで、チリ山の主峰・天王峰(チョヌァンボン)の1915mには遥かに及ばないのですが、そんな山に毎年5月中旬、韓国全土から凄まじい数の観光客が押し寄せます。お目当てはもちろん、この写真の通り、山一面を彩るツツジ。パレボンは小白山(ソベクサン)、黄梅山(ファンメサン)と並ぶ「韓国三大ツツジ名山」に数えられます。

ノゴダン編はこちら

 ちなみに韓国でよく目にする代表的なツツジは「チンダルレ(唐紫躑躅)」と「チョルチュク(黒船躑躅)」の2種類あり、上記三大ツツジ名山で咲き誇るのはチョルチュクの方です。チンダルレは平地でおおむね4月上旬ごろ咲くのに対して、チョルチュクは花より先に葉が開き、開花時期は1カ月程度遅くなります。色も多少の違いがあり、チンダルレは紫色が強い一方、チョルチュクはやや薄く、天気が良いと濃いピンク色に見えます。桜の花見だけでは物足りない、ぎりぎりまで「春」を楽しんでいたいと思う私にとっては打ってつけの花です(笑)。



【登山日:2017年5月14日】
 ソウル市内から高速鉄道「KTX」で2時間ちょっとのナムォン駅。2011年に全羅北道の益山(イクサン)から全羅南道の麗水(ヨス)までを結ぶ全羅線(チョルラソン)が高速化され、所要時間が格段に縮まりました。しかし週末は特に座席が確保しづらいので、私は全羅北道の道庁所在地・全州(チョンジュ)まで高速バスを利用。前泊した分、午前7時過ぎと早めの到着です。

 駅のロータリーの南側に市内バス乗り場があり、ここからパレボン登山口のある集落「ウンボン邑」に向かいます。バス系統は複雑で非常に分かりづらいのですが、少なくとも110番台〜140番台はウンボンを経由するようです。私は7時10分発の133番に乗り損ねましたが、すぐ後の142番に乗車できました。

途中ナムォン市街を縫うように通り抜けた後、約40分でウンボン小学校(初校・チョギョ)停留所に到着。ここから更に20〜30分歩き、ようやく登山口となる「ヨンサン里」の植物園のような施設「チリ山ハーブバレー(Herb Valley)」の大駐車場が見えてきました。ちなみにハーブバレーは韓国式の発音だと「ホブベルリ」。同じ英語でも違いすぎて、なかなか通じません(笑)。


 ハーブバレーでは「ツツジ祭り」が開催されていて、登山道に出店が立ち並んでいます。その並びに沿ってしばらく進むとツツジの群落地があるのですが、この辺りはもうほとんど枯れているようで緑一色でした。

 山道は自動車でも十分通れるほどの幅で、途中までは舗装もされています。軽装でも至って登りやすく、出張ついでに余暇を楽しんでいる身にはありがたいです。午前9時過ぎ、坂を上り始めてからまだ20分もたたないうちに視界が開け、田園風景が広がります。

 松の木をはじめ新緑の美しい道が続き、本当にツツジは咲いているのか不安になるほどでしたが、ようやく7合目あたりから徐々に「本日の主役」が現れ始めます。



 午前10時、早くも山頂下の三叉路にたどり着きました。パレボンのもう一つの主要登山口・チョンニョンチ(鄭嶺峙)から来た人たちとここで合流します。三叉路の少し手前で、一つ目の大きなツツジ群落に出くわしました。

 山頂付近はツツジの本数では少し物足りないですが、360度さえぎるもののない丘状になっていて、眺望は抜群。そして1〜2kmほど先、三叉路からチョンニョンチ方向に向かう尾根の途中のパルランチ(八郎峙)という場所が一面紫色に染まっています。



 10時23分、登り始めから1時間40分ほどでパレボンの頂へ。やはり広い山域を誇るチリ山だけあって、これだけ快晴だと数え切れないほど多くの峰の連なりが望めます。


 帰りの列車は15時20分発。まだまだ時間に余裕があるので、もっとツツジに囲まれたいと、下山時は先ほど山頂から見えたパルランチへ向かいます。その途中にも群落地があり、山道脇には色の違う白っぽいツツジもチラホラ見かけるように。振り返ると林の向こうに山頂付近の丘陵部も見えます。




 遠目からも壮観なパルランチの眺め。

 11時20分、パルランチにたどり着いた時に抱いた感想は「地上の楽園」(笑)。葛城山の「一目百万本」にも匹敵するほど、ボリューム感たっぷりの絶景を堪能できました。




 ここからチョンニョンチ方向にも更にツツジの稜線が続いているようですが、さすがに「お腹いっぱい」。登山客もどんどん増え出したので、元の登山口・ヨンサン里へと引き返しました。

 13時10分、ハーブバレーに戻ってくると驚愕の光景が・・・。仮設テントの食堂は登山ルック(死語?)の客でごった返しており、何と大駐車場には大型観光バスがほとんど隙間なく広大なスペースを埋め尽くしていました。ナンバーを見るとほぼ韓国全土から来ており、少し離れた場所の仮設駐車場にもぎっしり詰まっていて、その数はざっと見ただけで500台以上。見ごろ、快晴、日曜日・・・と好条件が重なったとはいえ、並々ならぬ韓国の登山熱をまたしても思い知らされました。




 電車に乗る時間までまだ余裕があったので、帰りは少しナムォン市街に立ち寄り、廃駅となった高速化前の旧・ナムォン駅を訪ねました。周囲には色とりどりの花が植えられたり自生したりしていて、これもなかなか壮観。プラットホームは今でも市民の憩いの場になっているようで、新駅同様に趣のある駅舎も残されていました。
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 帰りはKTXより遅めの「ヌリロ」号に乗って全州へ16時ちょうどに到着。全州駅の駅舎もこれまた古風で粋な造り。最後まで全羅北道の魅力を存分に味わえた一日となりました。




 パレボンを中国語で表記する時は「巴来峰」と書きますが、本来「パレ」は漢字のない韓国固有語で、麻などの植物を巻いて家の周りに立てた塀のことを意味するそうです。チリ山という巨大な家の玄関口的な位置に立ちはだかり、毎年春に鮮やかな彩りを添えてくれるパレボン・・・。まさに名は体を表す、見ごたえのある山だなと感じました。


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更新 2017年5月24日 13:32:34


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